私はかつて、自分に全く自信が持てず、人から嫌われることを何より恐れていました。
いつもいつも相手の顔色をうかがい、自分の気持ちなんて一切封印して、みんなに好かれようと必死でした。
わたしなんか、
わたしなんか、
わたしなんか、
いつも自分で自分の事を否定していました。
わたしには価値がない、本当のわたしを知ったらきっと嫌われる。
だから誰とも心を通わせず、うわっつらだけの人間関係しか作れず、虚しさばかりが募りました。
その頃の私にはどうすることも出来なかったのです。
憧れていた海外ホームステイ
そんな私には密かに夢がありました。
それが、海外でホームステイをすること。
第2の家族と言えるような、温かいファミリーと出会い心を通わせたい。
ささやかな願いでした。
初めてその夢がかなったのは18歳の夏休み。
何とか何とか父を説得し、バンクーバーの語学学校に2週間の語学留学をさせてもらいました。
初めての海外!
初めてのホームステイです!
ところが、私の最初のホームステイは理想通りとはいきませんでした。
ビジネスライクなホストファミリーに、長年の夢は砕け散りました。
さらに、私を落ち込ませたのは、英語が全然通じなかったことです。
日本では英語の成績はトップクラス、自分の英語が通じないかもしれないなんて思いもしませんでした。
でもね、ホストファミリーと仲良くなれなかったのは英語力だけの問題じゃないんです。
ビジネスライクなホストファミリーにさらに英語が通じないという状況。
どうせわたしの英語じゃ通じない。
もういいや!
投げやりになり、わたしはせっかくの海外なのに、部屋に引きこもるというアホな行動をしてしまいます。
ホストファミリーと心を通わすどころか、早く帰りたいとさえ思っていました。
そんな初めてのホームステイを経験し、私はもうこりごりと思ったでしょうか。
いいえ、その逆です。
私はますます、理想のホームステイに興味を持ちました。
ホストファミリーと仲良くなるには
海外で第2の家族と呼べるようなホストファミリーに出会いたい。
どうしたらもっとホストファミリーと仲良くなれるだろうか。
いつもいつも考えていました。
もちろん、英語の勉強もそれまで以上に頑張りました。
そして、社会人2年目の夏休み、私は1週間という超短期のホームステイに参加することにしたのです。
ペンとノートをいつも持ち歩き、会話ネタを探し、積極的に話しかけました。
”Have a nice day!”のようなフレーズを何度も何度も練習し、自分から声をかけるようにしていました。
1回目のホームステイに比べると、圧倒的にマインドが変わっていたのです。
人生を変えるホストファミリーとの出会い
束の間のホームステイを終え、わたしは再びやりたくない仕事を頑張る毎日に戻りました。
ストレスフルな毎日。
自分の事が嫌いになるばかりでした。
そして、過呼吸で倒れるほどに自分を追い込みました。
ワーホリで海外に行きたい。
就職する前に抱いていた夢を真剣に考えるようになりました。
結果として、私は新卒入社した会社を2年で辞め、ワーホリビザでバンクーバーへ旅立ちました。
そして・・・
カナダで待っていたのは・・・
人生を変えるホストファミリーとの出会いでした。
夢にまで見た、大きな真っ白いお家とステンドグラスの窓。
ささいなことでもサンキューと言って、ぎゅっと抱きしめられる。
大嫌いだった黒髪のストレートヘアを素敵と褒められ、
家族の一員のように愛情深く接してくれるホストファミリー。
今、思い出すだけでも涙がこぼれそうになります。
自分の事が大嫌いだった私は、ありのままの自分でも愛されるということを初めて知ったのです。
忘れられない経験
ワーホリでカナダに滞在中、私は語学学校へは通いませんでした。
なぜかというと、
『経験から学ぶ』という方法を選んだから。
海外で暮らしているのです。
学校へ行かずとも、一歩外に出れば、当然ながら生きた英語に触れられる世界です。
私は学校よりも自分のやりたい事をやりながら、英語を身に付ける方法を選びました。
語学学校には行かず、趣味の陶芸教室に通い、ずっとやりたかった日本語教師としても活動しました。
https://eigotegami.com/teaching-japanese
おかげでネイティブの友達もたくさんできました。
そんな人生で最高に楽しくて輝いていた1年はあっという間に過ぎ去り、私は日本へ帰国しました。
夢と挫折
ワーホリから帰国した私は、1年前と何も変わらない日本での生活に呆然とし、無気力に陥ってしまいました。
これからどうやって生きていったらいいのか、わからなくなってしまったのです。
そこで、私のとった行動は、次の目標をみつけることでした。
日本語の教え方をもっと勉強したい!
だから、日本語教師を目指すことにしたのです。
ところが、です。
やっと次の目標を見つけたと思ったのに、私は日本語教師を諦めることになってしまいました。
なぜなら、
わたしは、
大勢の人の前に立つことが苦手
大きな声で話すのが苦手
人を注意するのが苦手
だったのです。
日本語教師としては致命的です。
そこで私は考えました。
日本語教師としてではなく、わたし個人として、
日本語を学んでいる人の為に何ができるだろうか
日本の魅力を海外に広めるために何ができるだろうか
私が選んだ道は、
海外文通を通じて、日本の魅力を伝えること。
そして、
ハンドメイドの文房具で日本語学習者のサポートをすることです。
誰にだって弱点はありますよね。
だから夢を諦めるのではなくて、その弱点をどうやりたいことに繋げていくか。
正解は1つじゃなかったんです。
自分らしい生き方
私は今、派遣の仕事をしながらプライベートで海外文通を楽しみ、ハンドメイドの文房具で日本語学習者の応援をしています。
世間的に見れば、私は新卒入社した大手企業で働き続けた方が幸せだったかもしれません。
ワーホリなんて意味なかったね、と言われても仕方がないかもしれません。
だけど、
今の私は、人にどう思われるか、人にどう評価されるかよりも
自分がどう思うか、幸せを感じられるかを大切にしています。
言うならば、
自分軸で生きられるようになりました。
私は私のままでいい。
私らしく生きればいい。
私は海外で暮らして、素敵なホストファミリーに出会い、一生懸命日本語を勉強するカナダ人に出会い、何歳になっても夢に挑戦し続ける親友と出会いました。
もしも、あなたがワーホリ・ホームステイに挑戦するとき私の経験が何かお役に立てれば嬉しいです。