私の英語力が低いから、ホストファミリーと会話が続かない。
仲良くなれない。
もしかして、そんな悩みをお持ちですか?
これからホームステイに参加する人なら、自分の英語力でホストファミリーと仲良くなれるか、不安に思いますよね。
でも安心してください。
英語力がなくてもホストファミリーと仲良くなれるコツがあるんです。
実は、ホストファミリーと仲良くなれないのも、会話が続かないのも、英語力のせいではないのですよ。
この記事では、ホームステイ中にホストファミリー良い関係を築くコツを紹介します。
ホストファミリーと仲良くなるにはどうしたらいいの?
私は中学生の時にテレビで見た「ウルルン滞在記」という番組に影響を受け、いつか私もホームステイをしてみたいと思うようになりました。
海外で第二の家族と言えるような、ホストファミリーに出会いたい。
本当の家族のように笑い合い、想い合い、涙の別れを経験したい。
そんな夢を抱いていました。
その夢が実現したのは、18歳の夏休み。
2週間の語学留学の為、カナダでホームステイをする事になったのです。
始めてのホームステイに胸は期待でいっぱいでした。
どんなホストファミリーだろう?
一緒にどんな事が出来るだろう?
日本の事、あれもこれも、たくさん話をしたい。
結論から言えばこの時の経験は、しくじりホームステイと呼んでいるほどに残念なものでした。
到着から3日目には早く帰りたいと思い始め、2週間後の帰国の際には涙の別れ、どころか感謝の言葉さえもそこそこに、私は『やっと帰れる』とさえ思って帰国しました。
この苦いホームステイ経験のおかげで、次こそは理想のホームステイがしたい、と強く願うようになりました。
どうしたらホストファミリーと仲良くなれるだろう?
本当の家族のように打ち解けられるだろう?
色々と試行錯誤し、2回目のホームステイでは1回目よりもホストファミリーと仲良くなれました。
そして、3回目のホームステイではまさに夢見た通り海外の第二の家族と思える程の関係を築く事が出来ました。
では1回目のしくじりホームステイと比べて2回目、3回目のホームステイでは何が違ったのか、私の行動の変化を見ていきたいと思います。
英語力が低いから話しかけられない、という勘違い
はじめてのホームステイではあまりに英語が通じなくて、自室に引きこもりがちになりました。
3回目のホームステイでは『寝るとき以外部屋に行かない』ほどにホストファミリーと一緒に過ごしました。
英語が上達したから、というのもありますが、それよりもっと大切な事に気が付きました。
どうせ通じないから、もういいや
はじめてのホームステイでは、ホストマザーの英語が聞き取れず、とりあえず聞き取れた事だけに短く返事をしていました。
例えば、何か質問されても”Yes” , “ No”, “Good”のように一言だけの返事をしていました。
自分から家族の話をしたり、学校の出来事を話したり、という事はほとんどありません。
それはなぜか?
初めての海外で、自分の英語力の低さにショックを受けていたからです。
日本では英語は得意な方。もう少し聞き取れると思っていたのです。
でも、実際に海外へ来てみたら想像以上に英語が聞き取れない。
私の英語力じゃきっと通じない、通じなかったら気まずい。カッコ悪い。だからやめておこう。
そう思っていました。
食事が終わったら、部屋に直行。
休みの日も部屋で勉強。
ホストファミリーとの会話はとてもとても少なかったです。
どうせ通じないからもういいや、と諦めてしまっていました。
英語は下手だけどホストマザーとのおしゃべりに挑戦
2回目のホームステイでは2歳の男の子がいる家族でした。
子供が好きだった私は、夕食前に男の子と一緒によく遊んでいました。
小さな男の子がいつでも入って来られるように、部屋のドアはいつも開けっ放しにしていました。
ホストマザーとは夕食後に食器の片づけをしながら、その日の出来事を話したり、おすすめの観光場所を聞いたりしました。
出来るだけホストマザーとおしゃべりをしたかったので、食器の片づけなど自分に出来る事は積極的に手伝うようにしました。
1回目に比べるとほんの少し積極的に話しかける事が出来ました。
そして、帰国の日。
ホストマザーは2歳の男の子と一緒に見送ってくれ、こう言ってくれたのです。
「あなたが帰国したら、息子が寂しがるわ。あなたほど、リビングに居る時間が長い留学生は初めてだった。一緒におしゃべりができて楽しかった。」
とても嬉しかったのと同時に驚きました。
私のつたない英語でも、おしゃべりが楽しかったと言ってくれた。
夕食の前後にリビングでおしゃべりしただけなのに、リビングにいるのが一番長いだなんて。
私の初めてのホームステイのように自室にこもる留学生がいかに多いかという事がわかると思います。
大切なのはコミュニケーション力
3回目のホームステイでは、自分の部屋に行くのは寝るときだけと言うくらい、ほとんどの時間をホストファミリーと一緒に過ごしました。
ホストマザーとお菓子作りをしたり、手芸をしたり、スーパーに買い物に行くときはいつも荷物持ちに立候補して連れて行ってもらいました。
夕食後にはリビングで宿題をし、ホストマザーとお茶を飲みながら色々な話をしました。
帰国しても何年も交流が続き、「私達にとって特別な留学生だった」と言ってもらえます。
この時、自分の英語力では伝わらないかもしれない、という思いは一切消えていました。
伝わらなかったら伝わるまで伝えようとすればいいからです。
聞き取れなかったら聞き取れるまで聞こうとすればいいからです。
会話する事を難しく考えすぎていたのです。
正しい文法で話す事より、相手とのコミュニケーションを図る事の方が大切です。
あなたの会話が続かないのは英語力が低いからでなく、
コミュニケーションを図ろうとしていないからではありませんか?
苦手な食べ物でも無理して食べるのが礼儀ですか?
初めてのホームステイの時、食事は冷凍食品がほとんどでした。
それでも特に不満はありませんでしたが、どうしても苦手な料理がありました。
独特な味つけの魚料理です。
生臭くて、泣きそうな程に苦手でした。
でも、残したら失礼。我慢して食べるのが礼儀だと思っていました。
きっと鬼のような形相でほおばっていたことでしょう。
人生で一番おいしいカレー
2回目のホームステイでは、食事にはカレーがたくさん出ました。
しかもとっても美味しい。
本当に美味しかったので、満面の笑みで「おいしい」を連発し、大袈裟な位に感動していました。
私があまりに「おいしい」を連発したのでカレーをたくさん作ってくれたのか、
もともとカレーが好きなファミリーだったのかは不明ですが、
とにかくおいしいカレーと料理好きなホストマザーのお陰で「これはどうやって作るの?」という会話が生まれました。
我慢して食べる事だけが正解ではない
3回目のホストファミリーはハンバーガーやステーキを食べる事が多い家族でした。
私は赤身の肉がそんなに好きではないのと、中までしっかり火が通っていないと食べられませんでした。
なので、ローストビーフやレアのステーキは苦手。
最初は頑張って食べていましたが、他の料理に比べるとどうしても食が進みません。
ホストマザーの表情が曇るのが分かりました。
おそらく、「口に合わなかったのかしら・・・?」「体調が悪いのかしら・・・?」そんな風に心配になったのだと思います。
なので思い切ってホストマザーに打ち明けることにしました。
本当は赤身の肉が苦手。レアの物は特に苦手だと。
ホストマザーは「もっと早く言ってくれれば良かったのに!」と笑いながら言って、次からは私のハンバーガーは中までしっかり焼いてくれるようになりました。
パーティーやイベントで外食する時も「この子は赤肉が苦手だから」とフォローもしてくれるようになりました。
あなたの気持ちを声にしましょう。
言わなければ何も伝わらず、かえって困惑を生みます。
苦手なものでも笑顔で「おいしい」と言って食べられるのなら、それはとても優しい嘘です。
でも、笑顔で「おいしい」と言えないほど苦手な食べ物なら正直に打ち明けましょう。
その方がお互いに幸せです。
外国人に日本の文化を伝えたいという自己満足
初めてのホームステイの時、日本人の留学生を受け入れる位だからホストファミリーは日本文化に興味があるのだろうと考えました。
2回目のホームステイの時、ホストファザーに「日本の文化に興味がありますか?」と聞いたところ、「世界の全ての国に興味がある」と答えました。
それを聞いて私は「はっ」としました。
『外国人に日本の文化を紹介したい』という気持が強かった私は、相手の文化を知りたいという気持ちを忘れていました。
私の着物姿を見てほしい!
始めてのホームステイの時、海外へ行ったらやりたい事の一つに、『着物を着てホストファミリーに見てもらいたい』というのがありました。
ある日の夕食時、私は日本のスーパーで買った安物の浴衣を見よう見まねで着付け、食事の席に登場しました。
「じゃーん!これが日本の伝統的な衣装KIMONOです!」
・・・しーん。
一瞬の沈黙の後、冷めた空気が流れました。
もしかしたら、スーパーで買った安物の浴衣だからかもしれないし、前に日本人のホームステイを受け入れて着物を見た事があったのかもしれないし、そもそも、日本の文化にあまり興味がなかったのかもしれません。
とにかく、理由はわからないけれど、予想したような反応が返ってこなくて、私はひどく落ち込みました。
本当はサプライズで日本食も作ろうと考えていましたが、そんな勇気は消え去り・・・
日本の文化を紹介したい、というのは私の独りよがりかもしれない。
ホストファミリーは別に日本に興味などないのかもしれないと思いました。
ホストマザーはどんな事に興味があるのかな?
2回目のホームステイの時、日本文化の紹介はほどほどにしました。
浴衣はもちろん持って行きませんでしたし、日本食を作ったりもしませんでした。
自分から積極的に日本の話をする、というよりは積極的にその国(オーストラリア)について質問をする、という形に変えました。
ホストマザーが作ってくれるカレーのレシピで会話が盛り上がったので、料理について話題にすることが多かったです。
趣味や家族の話で距離を縮める
2回目のホームステイ時、ホストマザーと料理の話でおしゃべり出来た事が大きな自信になりました。
お互いに料理好きという共通点が会話に繋がったので、自分自身の好きな事や趣味、家族について話すネタを予め色々考えていきました。
日本の文化を紹介する、というよりもまずは相手の事を知りたいという姿勢で接する事にしました。
ホストマザーの趣味がお菓子作りと知り、到着したその日に私にも教えて欲しいと頼み、一緒にクッキーを焼きました。これでホストマザーとの距離が縮まったと思います。
ホストファミリーとの会話も自然に楽しめるようになりました。
この時も着物は持っていきませんでしたが、代わりに成人式の写真を持って行っていました。
スーパーで買った安物の浴衣を見せるより、成人式の振袖の写真を見せて、これが日本の伝統的な衣装だと伝えた方が、よっぽど会話が膨らみます。
20歳のお祝いに着る特別な衣装で祖母が買ってくれたものだということを話しました。
この時に家族の写真があれば、家族の紹介の話も出来ますね。
まとめ
ということで、長くなってしまいましたので今日はこれくらいにしようと思います。
ホストファミリーと仲良くなるコツ
1. 大切なのは英語力よりコミュニケーション力。
2. 言葉にしなければ気持ちは伝わらない。
3. 相手の国や文化を知りたいという姿勢
ホームステイも結局は人と人との触れ合いです。
相手を思いやる気持ちと、心を通じ合いたいという思いがあれば、良好な関係が築けるのではないでしょうか。
最後までお読み頂きありがとうございます。
素敵なホームステイの経験ができますように・・・