先日、「世界!日本に行きたい人応援団」というテレビ番組を見て非常に感動しました。
取り上げられたのは羊羹を愛するハンガリーの女性。
茶道を通じて羊羹と出会ったという彼女は、小豆をゆでるところから羊羹作りをスタート。羊羹とはこんなにも手間のかかる菓子なのだとはじめて知りました。
そんな彼女の『伝統的な羊羹の作り方を見てみたい』という願いを叶えたのが、
福島県二本松市にある老舗「玉嶋屋」さん。
なんと江戸時代とほぼ変わらぬ作り方で羊羹を作っているのだそう。
彼女はこの「玉嶋屋」さんで伝統的な羊羹作りを学びます。
「まるで日本映画の世界に迷い込んだようだ」という言葉が印象的でした。
私もカナダのホストファミリーの家で全く同じことを感じたんです。
まるでハリウッド映画の世界に入り込んだようだと。
感動的だったのは、この「玉嶋屋」の90歳のおばあちゃんとの別れのシーン。
「ありがとう」と言って涙するおばあちゃんの姿に思わずもらい泣き。
こんなことを言っては生意気だと思われるかもしれないけれど、
遠い遠い国に住む一人の女性が、羊羹を心から愛していて、情熱を持って学んでいて、そんな彼女の夢を叶えてあげることができて、おばあちゃんは嬉しかったのだろうと思います。そしてそんな彼女と別れる事が寂しくもあったのだと思います。
誰かの夢を応援すること、叶えてあげること、そしてその笑顔を目にする事は、この上なく、幸せで大きな喜びになるのだと改めて実感しました。
私自身の経験を振り返ってみても、
カナダで暮らしていた頃、日本語を教えていた生徒さんの中にひときわ熱意のある男性がいました。
いつか日本に行ってみたいと言っていた彼は、レッスンの度に目をキラキラとさせ、それはそれは楽しそうに日本語を学んでいたのです。
もちろん上達も早い。
いつか彼の夢が叶って日本に行けるといいなと心から願い、日本語教師として彼の夢をサポートできることは大きな喜びでした。
また、海外文通でも同じで、日本語を勉強しているという大学生と文通していた時は、彼女から送られてくる手紙から「日本に行きたい」「日本が大好き」という想いがひしひしと伝わって来ました。
私と文通をすることで、そんな彼女のモチベーションが保てるなら、とても光栄なことだと思ったし、彼女を喜ばせたいと日本のあれやこれや手紙に書いて送っていました。
この番組を見ていて、私は日本語教師を目指していた頃を思い出しました。
私が日本語教師になりたいと思ったのは、こんな風に日本に行きたいという人を応援したかったからなのです。
今はもう日本語教育から離れてしまったけれど、今からでも何かできないだろうか?
彼女のように遠い国から、いつか日本に行ってみたいと夢見る人の為に。
そう思わずにはいられませんでした。
とても素敵な番組でした。