外国人に日本語を教えるのって難しいですか?
そんな素朴な疑問に答えます。
結論から言いますと、
難しいですが面白いです。(ありきたりですみません。)
でも感じ方は人それぞれなので以下の私の体験談を読んでみてください。
おもしろそうと思ったらあなたは日本語教師に向いているかもしれません。
日本語ボランティアでの忘れられない経験
私はワーホリでカナダ、オーストラリアに滞在していた時、日本語教師として活動しました。
はじめて日本語を教える事になった人は日本で暮らした経験もあるカナダ人です。
教える、というよりはボランティアで会話の練習相手になったと言った方が正しいですが・・・
そんな初めての生徒さんからの質問に答えられずとても困ってしまった事があります。
冬に向かってだんだんと寒くなってきた10月頃の出来事でした。
「もう寒いですね」は、えっと、まだ寒くないだろうと思っていたのに寒いという時に使います。
そりゃあそうですよね・・・
ごめんなさい。
「まだ」と「もう」の違いを説明できますか?
私達は「まだ」と「もう」を無意識に使い分けていますが、その違いを説明できますか?
「もう寒いですね」という言葉の裏には、「時間が経つのは早いですね、もう寒くなりましたね。」という意味合いが含まれています。
つまり、何かのスピードが速いと感じた時に使います。
逆に「まだ」は、何かのスピードが遅いと感じたと時に使います。
例えば、春になっても暖かくなるスピードが遅いと感じた時に「まだ寒いですね。」と使ったりしますよね。
このように○○と○○はどう違うのですか?と言う質問をされた時、私達は普段何気なく使っているので、あえてその違いを説明しようとすると出来なくて困ってしまう事が多々ありました。
そこが言語の難しさでもあり、面白さでもあると私は思うのですが・・・
こういう場合はその言葉を使うシチュエーションをたくさんたくさん考えてみると違いが見えてきます。
あとは、それをいかに分かりやすく学習者に提示して、理解を促すか、それが日本語教師の役割です。
「上手」と「得意」の違いを説明できますか?
もう一つ説明に困った例を紹介しましょう。
ある日の会話で生徒さんが言いました。
お気づきになりましたか?
私は無意識に「上手」ではなく「得意」を使っていました。
すかさず、生徒さんから質問が・・・
「上手」も「得意」も英語では”good at~”なので同じかなと思いますよね。
だけど、日本語で「上手」と「得意」は何となくニュアンスが異なります。
この違いを説明できますか?
結論から言うと、
・「上手」は他人に対して使う
・「得意」は自分に対して使う
自分の事を「私は料理が上手です。」と言った場合、何となく傲慢な感じがしませんか?
なので自分の事を言う場合、私達は無意識に「得意」を使っています。
そもそも、得意というのは何かのスキルに対して使う言葉です。
一方、上手は何かに対する評価として使う言葉です。
他者に対して「料理が上手ですね!」と言うのはとても自然ですよね。
それはその料理を高く評価して「上手」という『ほめ言葉』として使っているからです
逆に、自分に対して高い評価を表す「上手」という言葉を使ってしまうと、自分で自分を褒めているので、不自然さが生じるというわけです。
「上手」でも「得意」でも言おうとしている事は伝わります。
ですので、この何となく感じる違和感は日本人ならではの感覚です。
このあたりを外国人に理解してもらうのが難しいところであり、
そして(繰り返しですが、)面白いところでもあります。
まとめ
以上、私の日本語教師体験談のごくごく一部を紹介しました。
日本語を教えるって難しいけど面白い、その感覚が伝わりましたでしょうか。
もし面白いと思って頂けたなら是非日本語教育を学んでみてください。
日本語を学ぶ外国人との交流もとても楽しいものです。