この記事は日本語教育に興味を持ち、日本語ボランティアを始めた私の体験談です。
これから日本語教師を目指そうかなという方のお役に立てれば嬉しいです。
留学生たちから慕われていた元日本語教師の存在
まずは簡単に自己紹介から。
そもそも、私が日本語教育に関心を持ったのは高校時代です。
学校の先生が元日本語教師でした。
そういう仕事もあるのかあと漠然と思ったのがきっかけです。
最初から日本語教師に強烈に惹かれたというわけではありません。
というのも、その先生の話を聞く限り、日本語教師は大変そうだと思ったので・・・
じゃあなぜ日本語教師って素敵だなと思うようになったかというと、
当時学校には海外からの留学生がいたのですが、その元日本語教師の先生をかなり頼りにしていて、先生と留学生たちの絆みたいなものがすごく強いんだなと感じたからです。
もともと人のサポートをしたり、相談に乗ったりするのが好きだったので、
日本語を勉強している留学生達をサポートする仕事に興味を持ちました。
JICAの国際協力セミナーに参加して知った現実
そんな頃にJICA主催の国際協力セミナーに参加しました。
JICAの研修施設で1泊2日で開かれたそのセミナーでは海外青年協力隊として活動してきた方々の経験談等を聞く事が出来ました。
ほとんどの参加者は社会人で学生は私一人だけ。
参加者達の意識の高さと真剣さに私はあっとうされて、ちょっと場違いだったんじゃないかな・・・と感じてしまいました。
海外で日本語を教える仕事なんて楽しそうだな、なんて軽い気持ちで参加していた私ですが、国際協力のリアルな現場を知って怖気づきました。
私にはとても無理・・・
日本語教師をあきらめて一般企業に就職
日本語教師に興味を抱きつつもそんなに簡単ではなさそうだと思い一旦は諦めました。
日本語教師になる事よりも海外で暮らしたい気持ちの方が強かったので一般企業に就職することにしました。
お金を貯めてワーホリでカナダに行きたい!
それが就職の理由でした。
ワーホリに行けば現地で日本語教師になれるかもしれない、そんな淡い期待を抱いて。
何の準備もせずに飛び込んだワーホリin Canada
日本語教師になりたいと思いつつも何の準備もせずにワーホリでカナダに出発しました。
行けば何か見つかるかもしれない、そんなゆる~い感じでした。
ホームステイ先のホストマザーに何かやってみたい事はあるのか聞かれ、日本語を教えてみたいと言ったのがきっかけで、知り合いの子供達に日本語を教える事になったのですが・・・
何をどう教えたらいいか分かりません。
結局、日本はどこにあって何人位人口がいて・・その程度の事を紹介して、あとは持っていった日本のおもちゃで遊んでおしまい・・という結果に。
やばい、こんなんじゃ全然日本語を教えられない!
そこでやっと気が付きました。
カナダで日本語教師養成講座を受講
そんな時にたまたまカナダで日本語教師養成講座を見つけました。
これだ!と思い早速申し込み、そして、日本語教育の面白さにはまりました。
ずっとやってみたいと思っていたのに日本語の教え方を勉強した事はなかったのですね。
人に何かを教えるということがすごく楽しくて楽しくて、一気にのめりこみました。
その養成講座を受講しながらボランティアでも日本語を教え始めました。
カフェで教えていたのですが、レッスンの様子を偶然見ていた人が私にも教えて欲しいと声を掛けてきたり、自分でチラシを作ったり、色々な方の紹介で生徒さんはどんどん増えていきました。
もっともっと日本語教育を学びたい
ワーホリから日本に帰国した私は、日本語教育をもっと深く学びたい欲求に駆られていました。
カナダの養成講座は日本語を英語で教える、『間接法』の講座だったので、日本語を日本語で教える、『直接法』を学びたかった。
そこで日本で再び日本語教師養成講座を受講しました。
それと併せてNAFLの日本語教師養成講座を受講。
様々な日本語教育に関するセミナーやイベントに参加しまくりました。
日本語学校でアルバイトをしたり、プライベート教師としても活動しました。
そして私は再び海外で教えたい衝動にかられます。
オーストラリアでショックな出来事が
カナダのワーホリでは特に何の準備もせずに日本語を勉強したいという人にたくさん出会うことができたので、オーストラリアにワーホリに行く際も特に何も準備をせずに出発しました。
ところが、オーストラリアに到着して早々、わたしは予定変更を強いられます。
なぜかというと、オーストラリアの雰囲気が私には合わなかった。
オーストラリア好きな人には申し訳ないのですが、本当に何となく私には合わないなと感じたのです。
当初はセカンドワーホリビザを取得して2年は滞在するつもりでしが、到着して早々にこの国で2年も暮らすのは無理だから旅行して帰ろうという考えに変わっていました。
それでもせっかく日本語教育を学んだのだから、日本語を勉強したいという人がいたら教えるつもりでした。
実際何人か日本語を勉強している人に出会い、日本語のレッスンをしたのですが、私はオーストラリアで心を折られる出来事を経験しました。
それは日本語教師をしている=外国人との出会いを探していると思われたことです。
こんな出来事がありました。
日本語を勉強したい、と声を掛けてきた男性がいたのですが、レッスンはビーチでやろうと言い出しました。
すぐにピンときました。この人は日本語を勉強したいのではなく日本人の女の子と知り合いたいのだと・・・
日本語ボランティアに興味を持ったあなたへ
もしあなたが日本語ボランティアに興味をもったのなら、是非、どうか真剣に日本語教育と向き合ってください。
オーストラリアで知り合った女性に聞いた話ですが、日本語ボランティアとして来日する日本人女性にあまり良い印象をもっていないとのことでした。
その理由は、上記の通り、日本語を教えたいというのは表向きだけで実際には外国人との出会いを求めている人が多いのだそう。
私はその話を聞いてとても悲しくなりました。
カナダ、東京で日本語教育を学び、日本の言葉や文化を世界に広めたいと真摯に活動している先生方をたくさん見てきました。
一人一人の生徒さんの成長を自分の事のように感動し、喜ぶ姿を見て私もそんな日本語教師になりたいと思いました。
本当に尊敬できる先生方でした。
これから日本語教師を目指す方にはぜひ、
日本語教師として活動するという事は日本という看板を背負っている、その位の自覚と誇りを持っていただきたいです。
真剣に日本語教育と向き合っているたくさんの日本語教師がいることを忘れないでほしいと思います。