人間関係に疲れ、植物に癒しを求め、花屋になった私の経験談です。
好きな事を仕事に出来たら幸せ。
好きな事なら辛くても耐えられる。
だから花屋を選びました。
現実はそう甘くはなかった。
好きを仕事にするってどういうことか、痛い経験を通して学びました。
Contents
フローリストになろうと決めた日
あの頃の私は心身ともに疲れ切っていました。
正社員として働いていた会社でクレーム対応に追われ、人間不信に陥っていました。
度重なる体調不良で退職を余儀なくされ、途方に暮れていました。
ハローワークに通い、仕事探しをしていたある日、1枚の張り紙が目に留まりました。
『フローリスト養成講座』
花屋になろうかな。
最初はそんな軽い気持ちでした。
占い師に後押しされる
会社員として働いていた頃、趣味でフラワーアレンジメントを習っていました。
母の日に花屋でアルバイトもしていました。
そして何より、私は植物が好きでした。
そう思いつつも30代で全く未知の世界に飛び込むのは、やはり最初の一歩が踏み出せずにいました。
そんな私の背中を押したのは、、、占いです。(笑)
あなたの周りに花びらが舞っている。
花びらを辿って進んでいきなさい。
という謎のメッセージに背中を押され、私は『フローリスト養成講座』の門を叩いたのです。
花屋になる為の勉強をする

私は花屋になる為に学校に通い始めました。
授業は月曜から金曜まで毎日7時間あり、クラスメイトは20代後半~50代の女性達。
30代の私はまだまだ若い方だった事は意外でした。
実際にお花の扱い方や道具の使い方、フラワーアレンジの技術を学んだのはもちろん、
商品開発、販売の事など幅広い知識を学びました。
これらの知識を学べた事は本当に、有益でした。
趣味で学んだフラワーアレンジとはレベルが違います。
就職活動
就職活動は驚くほどスムーズでした。
私が学んでいた『フローリスト養成講座』の実績のおかげだと思いますが、
1社目であっさり内定が決まりました。
もし、本気で花屋に転職を考えている人には是非、趣味のフラワーアレンジではなく、花屋になる為の勉強をする事をお勧めします。
新人フローリストの仕事とは?

私は、ホテルに入っている花屋に就職しました。
客室に飾るフラワーアレンジやホテル内の装花、結婚式やイベントの際の会場装花が主な仕事です。
当たり前ですが、新人がいきなりお花のアレンジを作らせてもらえるはずはありません。
新人フローリストの仕事は、、、
- 入荷した花を運ぶ
- 花を入れる桶に水を貼る
- ホテル内の花に水をあげる
- 完成したアレンジを運ぶ
- 会場の片づけ・セッティング
- 花器の準備・洗浄
- 掃除
普通に雑用です。
それでも時々、小さなアレンジを作らせてもらったり手伝わせてもらえることがありました。
お花に触れるだけで、幸せと思っていたのですが、あまりにあまりにその割合は少なくて、小さな幸せはそれ以外の大きな苦痛を癒す事は出来そうにありませんでした。
事務職との違い
事務職との大きな違いで戸惑ったのはマニュアルがない事です。
花屋に限らず、技術職で働いている人からすればマニュアルなんてないのが当たり前かもしれませんが・・
技術は見て覚えるもの、そんな世界でした。
それまで事務職でマニュアル通りの仕事をする事を求められ、仕事に慣れるまで先輩がついて教えてくれる職場でしか働いたことがなかった私。
『あれやっといて』と指示される職場で、混乱を極めて行きました。
ライバル心むき出しの若者達

花屋は体力勝負と言われます。
大きなフラワーアレンジは重いですし、冷たい水で体は冷え、立ち仕事、中腰で作業する事も多いです。
当然ながら職場は若い人が多い。
花に触っていられたら幸せ、出世には無関心な私と、
一刻も早く仕事を覚え、認められ、一人前のフローリストになりたいとギラギラした若者達。
のほほーんとした私にライバル心むき出しの若者達から、
「敵対心」と言う名の刃が向けられました・・・。
それが結構辛かった。
体力の限界
ホテル内の花屋に閉店時間はありません。
イベントが終わってから会場装花の片付けがあります。
夜中の24時を過ぎる事は当たり前でした。
身体はくたくた、ゾンビのような顔で夜中の2時、3時にタクシーで帰宅します
翌日は7時出勤なんて事もありました。
そして、とうとう体力の限界が訪れます。
私はホテル内の店舗から路面店への移動を願い出ました。
経済的困難に直面する
ホテル内の花屋から路面店へ移動した私。
21時には帰れるようになりました。
身体的には楽になりましたが、今度は別の問題に直面しました。
残業がほとんどないので、手取りのお給料が減りました。
結果、経済的困難に直面する事になりました。
手取りのお給料はおよそ15万円。
当時、東京都内のマンションで暮らしていた私は生活費さえままならなくなりました。
結果として私のフローリスト人生は半年で幕を閉じたのです。
好きを仕事にするの意味
- 好きな仕事を仕事にできたら幸せ
- どんなに辛くても好きな事なら耐えられる
そう思って飛び込んだ花屋の世界。
現実はそう甘くはありませんでした。
花が好きだから花屋になろう
それは、
野球が好きだからプロ野球選手になろう
と同じことです。
野球が好きならプロ野球選手にならなくとも、
- 子供たちに野球を教える仕事
- スポーツ用品を販売する仕事
- 野球選手のサポートをする仕事
- 野球場を整備する仕事
野球にかかわる仕事はたくさんあります。
考えてみれば当たり前の事なのに、自分の事となると案外気が付きません。
好きを仕事にする方法は、たくさんあるんですよね。
好きな事に向かって頑張っているけれど、上手くいかないというときは少しだけ視点を変えて考えてみるといいかもしれません。
まずは副業から始めてみるのもいいかも。

まとめ
花屋で働いた半年間、本当に辛かった。。。
だけど、好きな事を仕事にするにはどうしたらいいか、真剣に考える良いきっかけになりました。
好きだからというだけでは上手くいきません。
自分が大切にしたいことや、得意な事や、理想の暮らしや生き方に好きな事のエッセンスを加えてみる、そうすると好きな事を仕事にする方法が見えてくるかもしれません。

